2026.08.01保育の質①【園長のひとり言】
保育(者)の質についてのお話。
これ、実はまだ、公にはっきりと定義されていない、難しいテーマです。もしかしたら、答えのない問いなのかもしれません。
やさしい保育者がいること。経験の豊かな保育者がいること。専門的な知識にあふれた保育者がいること。広い園庭。ピカピカの玩具。……どれも、大切かもしれません。
でも、ここでは違うレイヤーで考えています。
保育の質とは、何か。ずばりそれは、「選択の質」。
こども園は多様な子どもたちの、集団であり、集合体です。年齢も、性格も、その日の機嫌も、育ちの背景も、みんなちがう。組み合わせれば、その変数は、無限にあります。だから、保育に「唯一の正解」を見出すのは難しい。
だから、大事なのは過去に学ぶこと。たくさんの「引き出し」を用意しておくこと。そして、その中から、いま、目の前のこの子にピッタリの一つを、選び取れること。引き出しの広さと、選ぶ的確さ。この二つが、保育の質を決めるのではないかと考えてます。
まるでお医者さんが目の前の病に対して、さまざまな臨床や知見の中から、その患者さんに合う治療法や薬を選び取るように。保育者もまた、積み重ねてきた経験の中から、いま、この子にいちばん合う関わりを、選び取っていく。
ところが、ここに、ずっと保育の世界がぶつかってきた「壁」があります。
ひとりの保育者が持てる引き出しには、天井がある。出会える子どもの数にも、読める本にも、受けられる研修にも、限りがある。しかも、せっかく積み上げた経験は、その人の中にしか残りません。書き留める時間もない。だから、その人が辞めると、実践は、静かに、蒸発していく。
10年前の、あんなに素晴らしかった保育。書いた本人でさえ、もう思い出せない。まるで、なかったことのように消えていく。これが、保育の世界の、長いあいだの現実でした。
ただ、それらの障害は、いま、無くなろうとしています。
その答えは...とお伝えしたいところですが余白の関係で続きは来月にさせてください。