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2026.01.05R>G【園長のひとり言】

 

最近、「インフレ社会」という言葉を耳にすることが増え、注目されている公式「R>G」。

これはフランスの経済学者、トマ・ピケティが示した、現代社会の“お金の増え方の特徴”を表す言葉です。

R(リターン)とは、すでに持っている資産(預金の利子、株の含み益、配当、不動産収入など)から生まれる増え方のこと。

一方、G(グロース)は、給料が上がる、経済が少しずつ良くなるといった、社会全体の成長を指します。

ピケティが指摘したのは、「資産が生む増え方(R)」の方が、働いて得る収入の伸び(G)よりも速くなりやすい社会になっているという点です。

なぜRは強いのかと言えば、その特徴として、一度たまると、自分で自分を増やし始めることにあります。例えば、元手がある → そこから少し利益が出る → その利益が、次の利益を生むという循環が起きます。これは努力をしなくていい、という話ではなく、「時間」と「積み重ね」が強い力を持つ、ということを示しています。

一方で、Gを悪者にするわけではないけれど……。働くこと(給与)や経済成長(G)は、とても大切ですが、多くの場合、その変化は毎年少しずつ、ゆっくりとしたものです。

そのため、Rが効くインフレ社会では、「長く積み重ねたもの」が、後から大きな差になって現れます。

そして、ここからが本題です。ここまで経済の話をしてきましたが、実はこの「時間を味方につける力」が最もよく働くのが、まさに子育てだと考えています。

子ども時代の経験は、すぐに成果が見えるものではありません。しかし、「安心できた時間」や「繰り返し受け止められた経験」、「小さな成功と失敗の積み重ね」は心の中に蓄えられ、大人になってからの人間関係や挑戦する力、自分を信じる力として“複利的”に効いてくるのです。

だからこそ私たちは、保育を通して子どもたちの未来に投資をしたい。今日、園で過ごす何気ない一日。大人に受け止められた経験、安心して過ごせた時間、思うようにいかなくても、もう一度挑戦できたこと。それらはその場では目立たなくても、子どもたちの心の中に少しずつ蓄えられていきます。

そして大人になったとき、人を信じる力や、自分を信じて一歩踏み出す力として、複利のように効いてきます。

目に見える成果だけを追いかけるのではなく、将来にわたって力を発揮する“見えない資産”を丁寧に積み重ねる長期戦。これが私たちの目指す保育の姿なのです。

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