2025.10.01運動会って、何の会?【園長のひとり言】
保育現場から「運動会の意味と意義」を考えてみようと思います。保育業界の「運動会」って、よく考えるとちょっと不思議な行事。なぜなら、多くの保育園や幼稚園の運動会で、実は子どもたちがあまり運動していないから。もしかすると、一年のうちでいちばん運動しない日かもしれません。
出番はほんの1分。そのために20分以上も座って待ち、ほとんどの時間は観覧や応援に費やされています。そんな光景を目にするたびに、「これ、本当に運動会?」と感じることがあります。
「なぜ、そんな運動会になってしまったのか。」
理由はいくつか考えられますが、行事そのものが形骸化し、「手段が目的になってしまった」ことが一因かもしれません。
本来、運動会を通して子どもたちの何を育てたいのかという目的があるはずです。しかし、いつの間にか「運動会を開催すること自体」が目的となり、内容よりも形式を優先してしまっているケースも少なくないように思います。
もちろん、それが園の方針として意図的に行われているなら、それはそれで良いと思います。
ただ、「運動しない運動会」であるなら、いっそ名前を変えた方がいいかもしれません。
「私たちの運動会」
私たちは、「行事を目的にしない」という方針を大切にしています。あくまで運動会は“手段”であり、その目的は子どもたちの「共同性」や「協調性」を育むことにあります。運動会という体験を通して、「以前よりもちょっとだけ友だちと身体を動かすのが楽しくなった」とか「みんなで取り組むことが嬉しい」と感じてくれたら、それで十分。それが、私たちの願う“運動会の成果”なのです。
そのため、運動会の対象は3歳児からにしています。「自我」という言葉がありますが、自分と他者を区別できるようになり、自分の気持ちや欲求を意識しはじめるのがちょうど3歳前後。つまり、友だちや仲間への意識が芽生えるのがこの頃だからです。
「当日の競技よりも、“その先”を楽しみに」
目的が明確であれば、その“手段”としての競技内容も自然と決まってきます。……と、これ以上話すと当日のネタバレになってしまうので、このあたりで。運動会当日の子どもたちの頑張りはもちろん大切です。けれど、それ以上に大切なのはその体験が子どもたちの“明日”をどう変えていくかということ。そんな視点で運動会を見つめてみると、きっと、これまでとは少し違う楽しみ方ができるはずです。