2025.09.01Answer【園長のひとり言】
それでは、先月の問題の答え合わせです。1辺が60㎝の正方形のテーブルで食事をする際、Aちゃんが座る最適な場所は...①です。それでは、解説していきましょう。
まず、1歳児の身体的な発達に注目してみましょう。発達は「頭から尾へ」「上から下へ」と進んでいきます。これを発達原理のひとつである「方向性」と呼びます。
例えば、はいはいができるようになってから歩けるようになるのは、腕の発達が足よりも先に進むためです。また、赤ちゃんがよくモノを口に入れるのも同じ理由です。あれは「食べようとしている」のではありません。まだ手指が未発達で、興味のあるものを大人のように上手につかめないからです。そこで、手よりも頭に近い「口」や「舌」を使って、そのモノと対話しているのです。
このような視点で考えると、1歳児が食事を上手に口へ運べないのは、指先や手首の未熟さだけではありません。それ以前に、腕の上方部、肘や肩が十分に発達していないため、どうしてもこぼしてしまうのです。
ですから、この時期の子どもに必要なことは「手首や指先」を支えることではなく、「肩」を助けてあげること。大人がスプーンで食事をこぼさずに食べられるのは、肩を使って肘を少し外側に開き、スプーンを垂直に口へ運んでいるからなのです。
子どもだって同じようにスプーンを口にまっすぐ運ばないと、こぼしてしまいます。ただ未熟なためにそれができません。だから、肩を助けてあげるのです。具体的な方法としては、肘を下から軽く持ち上げてあげることが有効です。
そして、それをするのに最適な位置が、子どもの右側というわけです。

ただし、ここで一つ注意があります。保育者は子どもの右隣に「並んで」座るのではなく、テーブルの隣り合う2辺を使って、90度の位置で座ります。こうすることで、保育者の右手が、子どもの食事の前を通ることなく、右肘の下にまっすぐ届くのです。
スプーンを持つのは、あくまで子ども自身。保育者はスプーンには触れません。子どもが自分の力で口へ運ぼうとするその動きを、肘を下から軽く支えることで助けられます。これが、この時期の最も自然な食事のカタチです。