2025.06.01子どもの権利【園長のひとりごと】
子どもの権利についてのお話。令和5年、「こども基本法」が施行されました。それと同時に「こども家庭庁」が発足し、「こどもまんなか社会」を目指す取り組みが始まったのは、まだ記憶に新しいところ。
この法律が施行された背景には、「子どもの人権を守ろう」という国際的な流れがあります。1989年、国連総会で「子どもの権利条約」が採択されたのをきっかけに、現在では196もの国や地域がこの条約に基づいた取り組みを行っています。これは、世界で最も広く受け入れられている人権条約の一つだと言えるでしょう。日本も1994年からこの条約に賛同し、「子どもを大切にしよう」という旗を掲げてきました。
ちなみに、この条約には、生きる権利、成長する権利、暴力から守られる権利、教育を受ける権利、遊ぶ権利、参加する権利など、世界中すべての子どもたちが持つべきさまざまな権利が定められています。そして、条約の採択以降、世界中で多くの子どもたちの状況改善につながってきたことは言うまでもありません。
しかしその一方で、日本では子どもの数がどんどん減っているうえに、児童虐待の相談件数や不登校の子どもも過去最多のペースで増加。さらに、子どもの貧困も深刻な社会問題となっています。
つまり、「子どもを大切にしましょう」と言われてはいるものの、現実には子どもを取り巻く環境がどんどん厳しく、難しくなってきてしまっていたのです。
そこで、国としての基本方針や理念、そして子どもの権利を保障するための原理・原則をしっかり定めようということで誕生したのが、「こども基本法」というわけです。
これまでの歴史を振り返ってみると、たとえば障がいのある人の人権を守るための「障害者基本法」や、女性の人権を守るための「男女共同参画社会基本法」などは、きちんと法律として整備されてきました。
けれども、子どもの人権については、「児童福祉法」や「少年法」、「教育基本法」などがあるから大丈夫でしょ、というような考え方が根強く、子どもの権利を主体として包括的に保障する法律は、これまで存在してこなかったのです。
内容の詳細は余白の関係で省きます(※関心がある方は下記のURLからこども家庭庁のHPをチェックしてみてください)が、大切なのはこの法律によって、子どもは「弱くて大人に守られる存在」だけではなく、「ひとりの人間として権利を持っている」、つまり“権利の主体”であるという考え方へ、大きく転換されたという点です。
こども家庭庁HP こども基本法
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomo-kihonkihon