2025.01.04行事のミカタ②【園長のひとり言】
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
さてさて、新たな年がはじまりましたが、まずは年またぎのクイズの答え合せから。
有名な童画、ウサギとカメの競争。なぜウサギは、カメに負け。カメは、ウサギに勝ったのでしょうか?どうして、それぞれ異なる結果となったのでしょうか?と、言う問題です。
よく聞かれる答えは、カメが努力家でウサギが過信家だったから。さらに、ここから得られる教訓として「努力は報われる」とか「油断大敵」というのが一般的に知られているかと思います。
ただ、どちらも状況証拠で、カメが努力していたか分かりませんし、ウサギは確かに自身の能力を過信していましたが、昼寝しなければおそらく負けることはなかったでしょう。
では、この問い本質は何か。カメとウサギで違っていたもの。それはズバリ視点です。ウサギはカメを見ていた。カメはゴールを見ていた。だから結果が異なったのです。
はい。それではクイズの答えをお伝えしたところで話の本題に戻ります。なごみこども園の行事方針について。
なぜ派手さがないかといえば子どもを見て行事を考えているからです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この業界では意外と珍しいかもしれません。
どういうことかと言えば多くの幼稚園や保育園では行事を、例えば音楽会や発表会は子どもよりも、その姿を楽しみにしている保護者を強く意識しておこなわれてるのです。
派手なダンスや一糸乱れぬ合唱は乳幼児期の発達を考えれば、そうとう教え込まないとできません。それらの練習は、おおよそ歌や劇を楽しむという姿からほど遠い。
それでも日常の遊びや生活を犠牲にして毎日、毎日練習します。そして本番当日を迎える訳です。そして保育者はこう願うでしょう。どうか練習通り失敗しませんように、間違えませんように、と。
これが悪いとは言いません。私だって音楽会をご家族の方に楽しんで欲しいと思っています。でも、ね。行事が目的となってしまっていることに違和感を覚えてしまうのです。
何より大切なことは、本番当日に失敗しないことではない。音楽や表現の練習、、それらを人前で披露する経験は子どもたちにとって明日からの歌や物語への更なる関心。それらに楽しみが広がっていくものでなければなりません。
つまりここでの行事は目的ではなく手段。そして、それらを考えるときの一番のまなざしは、いつでも子どもたちに向けられています。