2025.09.01街の魅力【園長のひとり言】
先日、厚生労働省が2023年の合計特殊出生率を公表。これは一人の女性が生涯で出産する子どもの平均数で少子化が社会問題化している今日、大きな注目を集めています。
最新のデータによれば、全国的な値は1.20(※静岡県は1.25)となり、統計を取り始めて以降最も低くなったことが分かりました。なかでも東京都は1を割り込み0.99に。全国で最も子どもが生まれない都市が東京というわけです。
が、事態はそんなに単純でないのかも。確かに超大都市で暮らす女性の出生率は低いけれど、これらの数値の基礎となる対象年齢は15歳~49歳で、もし若年層、つまり結婚や出産の時期からほど遠い若い女性が、どんどん転入してくれば当然平均値は下がることになります。
で、統計を調べてみると2010年以降、東京都は若年層(15歳~29歳)の転入超過数が年々増え続け(コロナを除く)2023年の「住民基本台帳人口移動報告」によれば女性の転入超過数は32,605人で、その50%以上が20代という結果でした。
ですよね...。大学進学が当たり前となった今、自らのキャリアを最大限活かそうと思えば選択肢が多いエリアを考えるだろうし、故郷を見渡して自己実現できるような魅力ある労働市場がなければ、そりゃあ都会にいってしまいます。昔と違って都会のキラキラした生活がSNSで簡単に見られようにもなったし。
もし、これらの傾向は今後も続けば、ほぼほぼそうなると思いますが地方はヤバいです。アレ!?浜松市...名古屋と横浜、東京に挟まれていますけど。ただでさえ少子化が加速度的に進行しているのに、若い女性が次々と転出してしまったらチェックメイトです。もしも、このまま自国通貨安(円安)が続いて熊本県みたいに世界一の半導体企業(TMSC)がきてくれたら話は別だけど、ね。
いずれにしても未来に向けてこの街が魅力を高めなければならないのは必至です。その中で私たち保育者ができることがあるとすれば、ただ一つ。子ども時代の美しい思い出をつくることだけ。浜松で生き続ける意味への繋がりを願って。