2024.04.01Our philosophy 1【園長のひとり言】
新たな年度のはじまり。だから保育の理念、つまりここで最も大切にしていることを改めて解説します。
なごみこども園の保育理念は「ひとり一人の子どもを大切に生きる力を育てる」です。何となくは伝わると思うのですが「生きる力」ってな力なのか。「ひとり一人を大切にする」ってどういうことなのかを具体化しておきます。
まず「生きる力」について。私たちの考えるソレは子ども時代の自立やたくましさだけでなく将来、大人となり他者のために生きられる力。その対象は家族だったり、仕事を通しての社会だったりするのですが、いずれにしても自分のことだけでなく他者の為に生きられるようになって欲しいと思っています。
例えば、保育教諭は生業として保育園やこども園に勤めているのですが、それ以上に乳幼児期の子どもの為に生きることが嬉しいとか楽しいと感じるからこの職に就いているのです。
では、どうしたら他者の為に生きられるようになるのでしょうか。それは、おそらく教えられるものではなく自身の経験に大きく依存するはず。特に子どもという未成熟な(社会的弱者の)時代に助けてもらう温かな体験の連続は大切で、その集積こそが未来に助ける側としての感覚を育んでいくのだと思います。その意味において、乳幼児期に多くの時間を過ごすこども園の役割は大きいと考えています。
次に「ひとり一人を大切にする」ことについて。これを具体的に言うと集団保育という環境のなかで、生活と遊びの個別性を高めることなのですが、それぞれ背景から説明すると分かりやすいかもしれません。
第1に生活の個別性を高める重要性について。その背景にあるは社会の変化。今、女性が社会で活躍することが一般化し様々な職業に就くことで、子育て家庭の生活様式は多様化しています。それは同時に子どもの生活時間へ影響を与え、単純化すれば起床や朝食時間がそれぞれ違うってこと。そして、これは眠くなったりお腹空いたりするタイミングが異なる子どもがクラスに混在していることを意味しています。
これらの背景から生活の個別性を高めることが求められ、特に生理的な発達が未成熟で個人差の大きな乳児期(0歳~2歳児)には欠かすことができない保育者の配慮となる訳です。ただし、幼児期になると個別性の保障よりも規則正しい時間で生活することが課題となるため、それらをご家庭と一緒になって作っていくことが重要となります。
第2に遊びの個別性を高めることについて。と、言いたいところですが、いつもながら余白がなくなってしまったので来月とさせて頂きます。