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2021.04.01不便さのなかで育つこと【園長のひとり言】

新たな季節のはじまり。厄介な感染症はワクチンの到着で何とかなりそうだけど、社会の変化は一段と加速していきそうな気がしています。例えばZoomやYoutube、Netflix、Amazon等々が私たちの生活からなくなることはないし、社会は更なる便利さを求めていくようになるはずです。コレら全部アメリカ企業のサービスだけど、ね。

だけど大人にとって便利だからと言ってネットストリーミングサービスが乳幼児期に適しているかは別で、子どもにとってはナシよりのアリくらいだと思います。それがDisnyプラスであっても、です。

この時期は視覚や聴覚だけでなく、五感をフルに使った経験が大切で、その根拠としては神経系が大人を100%だとして80%くらいが5歳頃までに発達すると言われているから。興味ある方は「スキャモンの発達曲線」をググってください。

子ども時代は、便利よりもむしろ不便さの方が大切で、それが発達を助けてくれます。未成熟な手足をたくさん使ったり、友だちと感情をぶつけ合ったり、難しい遊びを繰り返したり、と。思い通りにならない連続が無意識のうちに自身を育てていきます。

その意味でこども園は、この不便さの宝庫。さらに言えば、その不便さを自分の意思で、つまり主体的に体験していくことを重視しています。

ただコレがなかなか難しい。保育者は様々な生活や遊び体験を積んでもらいと願うのですが、乳幼児期は感情と行動がくっついているので基本的に嫌なことはしたくない。苦手なものは食べたくないのです。

子どもがしたいこと、と保育者がして欲しいこと。これらが一致していれば問題ないのだけれど多様な経験を望むと、そういうケースばかりとはいきません。もちろん無理やりという選択肢はない。と、すれば答えは限られていて、非自然発生的な動機を自然発生させるしかありません。

例えば、「走る」とか「飛び跳ねる」という動きたい子どもの欲求。屋外なら問題ないのですが室内だとスペースが限られていて保育者としては少し困ります。できることなら心を落ち着けて過ごしてほしいものです。でも動きたいという欲求が消えることはない為、環境の力を借りることになります。つまりそれはパズルとか積み木、絵本など走ること以上に「楽しい」とか「やりたい」をつくることを意味しています。環境とは、物的だけでなく人的、時間など様々なのですが、それらを駆使して多様な経験をつくりだすという訳です。

走りたいのに走れない不便さ。それでも、それ以上の楽しさが本来とは異なる欲求、つまり落ち着いて頭を使って遊ぶ動機を自然発生させていきますし、だからこそ獲得できる発達があると言えます。ここに保育のキモがあって、子どもたちは常に「やりたい」を追求しているけれども、その背後には保育者の思いや願いがしっかりと詰まっているのです。

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