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2020.12.01Early Childhood Education 【園長のひとり言】

乳幼児期の教育について。近年、様々な研究結果からこの時期のソレが将来、つまり大人になったときに積極的な影響を与えると言われています。

この点については、過去に何度もお話したので割愛。非認知能力とか社会情動的スキルとか、ね。

ただ、これらの教育の重要性が語られる対象は主に幼児期であって、0歳や1歳、2歳という乳児期で考えると少し分かり難い。もちろん幼児期の豊かな育ちは、自己肯定感や自己効力感、アタッチメントの形成等の乳児期の発達に支えられているので生まれてからずっと教育が連続しているとは言えます。

が、繰り返しになるけれど、なんだか分かり難いです。そこで少し整理をして乳児期の教育についてお伝えしてみようかと思います。

結論から言えば、こども園における乳児期の教育とは何を教えるかではなく、「保育」に「知性」をプラスする保育者の意識だと考えています。言い換えれば、それは感性や経験に依存し過ぎず、知性的に保育するってことであり、子育てに関する「なぜ」にしっかり答えを持っていることです。

例えば秋、過ごしやすい気候から0歳児でも散歩に出かける園が多く、そのねらいは外気欲だったり屋外の景色を味わうことだったりするのだけれど、問題はその手段。定員規模にもよりますが、こども園や保育園には複数の乳児が在籍しているため、保育士の配置基準(乳児3人に対して保育士1人)から何人かが同時に行く必要があったりします。ちなみになごみこども園の0歳児の定員は16名です。

で、多くの園が移動の手段として避難車を使っています。避難車とは文字通り、災害時等に5人、6人またはそれ以上の子どもたちが一度に乗れる避難用カートで、その機能から多くの園が散歩用として使っています。その様子は、0歳児だとまだ歩行が不安定なことからカートの縁につかまり景色を眺めながら、ゆっくり移動する感じです。

それの良し悪しは置いといて保育の道具としては、確かに便利です。本来の使用目的ではなくとも安全に大勢が同時に散歩できるのだから。

ただトッププライオリティーが便利だから、というのはちょっと違うって思います。大切なことは子どもの育ちにとって有用かどうか。その視点で言えば避難車で散歩するより、何人乗りかは別としてベビーカーを選択すべきです。その「なぜ」に答えるなら、子どもの両手が自由になるから。

乳児は12か月を過ぎると要求のゆびさし(自分の欲しい物を指差しで相手に知らせる)や定位のゆびさし(何かを見つけた時に伝えたくて指差し、振り返る)という発達を獲得します。そしてこの発達は共同注意(他者とある対象に対する注意を共有する)とか社会的参照(ある対象に対する評価を大人の表情などを見ることで参考にする)など三項関係(子どもと大人が一つの行為や対象を共有)を可能にさせ、言葉や社会性の育ちへと繋がっていきます。

と、いうことはです。赤ちゃんが散歩の際に外界対して積極的な興味を示したり、関心を抱いたりする為には両手の自由が必須なのです。それを考えれば0歳児のお散歩の手段としてはベビーカー、一択ということになります。

話が少し長くなりましたが、こういうことです。保育に知性をプラスするとは、保育者が保育の一つ一つにしっかりと意味を見いだし知性的に子どもと関わったり、環境を整えたりすることで、それこそが乳児期における教育の姿だと言えるのではないでしょうか。

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