2019.12.15今年最後のご挨拶【園長のひとり言】
たぶん今年、文章でお届けする最後のご挨拶。今年も、一年、キラキラした子どもたちと豊かな時を重ねられたことに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
さて、和光会としては大都会東京で保育するという新たな挑戦の年となりましたが、そこであることに気づかせられました。それは子どもたちの体力について。
開園前、浜松から東京の保育を想像して、何となく土地が狭く、例えば駒沢わこう保育園の園庭面積はなごみこども園の10分の1くらいだったりするので、子どもたちの体力面の育ちが課題になるかと考えていました。
が、実際に駒沢で子どもたちの姿を見てビックリ。あにはからんやしっかりと育っているのです。と、言うより、もしかしたら平均してなごみの子どもたちより育っているかもしれません。
最初は不思議でした。だって、そうでしょう。ところ狭しと集合住宅が立ち並ぶなかより、広い土地や自然に囲まれていた方が「のびのび」とか「たくましく」、という子ども像と容易に繋がるものです。
ただ東京へ通うようになって、その疑問はすぐ解けました。浜松と東京の生活には決定的な違いがあって、それは歩くということ。23区の人たちは、みんな歩いています。目的地まで電車に乗る以外の移動手段の多くが徒歩です。
もちろん自転車を使ったりはしていますが、車でドア to ドア移動している浜松の人と比べたら圧倒的に歩行距離が長い。300メートル先のコンビニに車で行くことなどありえません(笑)コインパーキングの利用料が15分200円とかですから。
そういう社会のなかで暮らせば、子どもだって同じ。ベビーカーを卒業した瞬間から、毎日の生活の中でたくさん、たくさん歩いているのです。そう。この習慣が基礎体力を向上させていたのです。
もちろん広い園庭や自然とそれらを比較して育ちの優位性を考えたところで意味はありませんが、これだけは言えます。数十分のカリキュラムや週に1度のお稽古、単発的なイベントだけでは子どもは育たないということ。大切なのは日々、どの様な意識で、どう過ごすかです。地方だって車という便利さを捨てたら歩きたい放題なのだから。そこに広い園庭や恵まれた自然が加わったら、それこそ東京に負けないくらい豊かな育ちが保障されるはずです。駒沢オリンピック公園は反則だけどね。