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2019.03.01群れるということ【園長のひとり言】

間もなく迎える感情の交差点。新たな環境へ旅立つ期待といつも一緒だった生活が終わってしまうことの寂しさがごちゃ混ぜになってやってきます。

 

その前に子どもたちにとってのココの意味。特に5歳、6歳という幼児期後半におけるこども園という社会の意義についてお話します。

 

皆さんも実感していると思いますが、乳幼児期の子どもは大なり小なり自己中心的な傾向があります。大人のソレとはちょっと違いますが、純粋に自分の欲求を何よりも優先させようとします。それらが子育てを難しくさせているのですが、子どもが自分を知っていく、自分をつくっていく為には欠かせない情動だと言えます。

ただこども園には、自己中心性に満ちた存在がたくさんいるので自分の要求だけを通すわけにはいきません。家庭と比べて、とても不自由な状況で毎日を過ごさなければならないのです。

 

特に10人、20人という大きな集団で群れをなして行動する際には色々なルールや制限、秩序を守らなければならないので、不自由な状態となります。

 

この不自由さ。これが、こども園の意義です。なぜなら人は不自由であればあるほど想像力を働かせるからです。例えば、無秩序というか衝動的に園庭で走っていたとしましょう。この状況で、子どもたちが深く考えを巡らせることはありません。しかし、10人程度の集団で鬼ごっこを始めたとき。捕まえる側と逃げる側に別れて、それぞれのルールを前提とした瞬間に、どうやったら捕まえられるのか、如何にしたら逃げ切れるのかを考え始めます。 まだ鬼ごっこのルールは単純ですが、それらが複雑になるほど、つまり不自由なほど想像力をたくさん働かせていていきます。

 

そして重要なのは、その不自由な状況に自分から進んで身を置くことです。大人から言われてやるのではダメです。それでは、ただの作業になってしまいます。ここが難しい。

 

そもそも、この時期の子どもは3人、4人のような小さな塊はつくっても自ら大きな群れをつくらない。そのなかで保育者は、大きな集団を自然発生させていかなければならないのです。20人を超える自己中心的な子どもたち一人ひとりの「やりたい」とか「やってみたい」という気持ちを一つにするのは簡単ではありません。

 

先日の音楽会を想像してください。みんなで音を奏でるとか劇をおこなうとか。本番当日の子どもたちの真剣な姿に心打たれた方も多かったはずですが、そこにたどり着く為には保育者の絶え間ない努力が求められます。

 

もちろん彼女たちは、それを惜しみませんでした。夜、遅くまで帰らず準備をするのは、いつものこと。お休みの日だって関係ありません。そこに子どもたちの大きな成長や喜びがあるのなら。その想いは間違いなく子どもたちへ届いたはず。私はそう確信しています。

 

話を戻します。非自然発生的な集団での遊びや行動を自然発生させること。それがこども園の環境であり、保育者の専門性なのです。そして、そこに生まれる不自由さのなかで、いっぱい考えながら自分の「やりたい」を見つけることで子どもたちは成長していきます。また、それは同時に友だちの「やりたい」を受け止められるようになることでもあるのです。

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