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2019.08.01ZPD【園長のひとり言】

突然だけどZPDと聞いて、ピンとくる方はかなり保育の通です。一般的な子育ての場面では、ほとんど使わない言葉だけど「Zone of proximal development」の略(アクロニム)で、日本語だと「発達の最近接領域」と訳します。

 

これは今から遡ること80年前、ロシアの心理学者ヴィゴツキーさんが提唱した概念で、子どもの育ちを考える上でとても重要です。特に幼児期の教育に関心がある方へおススメの理論なのですが、ちょっとだけ難しい。でもココの幼児教育で中心としている考え方だから、しっかりとついてきてください。

 

それでは、いきます。「発達の最近接領域」とは何か…それを理解する為には、まず子ども時代の発達を2つに分けて考えてみます。

 

一つは、自分ひとりで、できる(領域)です。これは子どもの現在の発達水準を示しています。もしくは、すでに到達しているのだとすれば、過去の発達だとも言えます。これを「ひとりで、できる」ⓐとします。

 

もう一つは他者の力をかりて、できる(領域)です。これは大人や他の子どもなど周りの環境の力をかりて、例えば教わったり、マネしたり、環境から刺激を受けたりして、できるようになる潜在的な可能性、つまり未来の発達水準を示しています。これを「他者の力をかりて、できる」ⓑとします。

 

そして、この「ひとりで、できる」ⓐと「他者の力をかりて、できる」ⓑ。当然、ⓐよりもⓑの方が子どもにとって高い水準となるのですが、ⓐとⓑの間にある領域。つまり、自分ひとりでは「できない」けれど、他者の力をかりれば「できる」領域があって、これを発達の最近接領域と言います。

 

例えば、大人に腰を支えてもらって逆上がりをする子どもの姿を想像してみてください。まだ、自分ひとりでは「できない」逆上がり、でも大人に支えられたり補助具を使ったりすることで「できる」へと変わっていきます。そして、その先にあるのが、一段階上にある「ひとりで、できる」なのです。

 

もちろん、この様な関係は身体の発達だけでなく、精神のソレにも同じことが言えます。ただ内面的な育ちの場面では、「できる」というより「分かる」という表現の方が適切かもしれません。異年齢が交わる環境のなかで3歳が5歳の遊びをマネして、どんどん上達していくのはそういうこと。もし、そこに5歳の存在がなかったとしたら3歳の遊びがどうなっていたかを想像すれば、影響の大きさが分かります。

 

この背伸びをして、届くか届かないかのギリギリのところ。これがZPDであり、そこへ積極的に働きかけることで子どもの潜在的な力は、今の力へと変わっていきます。そして、その未来の力を環境や集団を活かして共にしていくのがこども園の役割であり、幼児教育の本質的な姿でもあるのです。

 

最後に、この発達の最近接領域を最も豊かに創りだす子どもの行為が、遊びであることを付け加えておきます。以下、ちょっと難しいけれどロシアの天才心理学者の言葉です。

 

『発達に対する遊びの関係は、発達に対する教授-学習の関係に匹敵するといわなければならない。遊びの背後には、欲求の変化と、より一般的な性格をもつ意識の変化が存在する。遊びは発達の源泉であり、発達の最近接領域を創造するのである。想像的世界・虚構場面での行為、随意的な企画の創造、生きた計画・意志的動機の形成-これらすべてが遊びのなかで発生し、遊びをより高次の発達水準に押し上げ、波の頂点にのせ、就学前期の発達の第九の波にする。それは、あらゆる水の深みを持ち上げることになるが、相対的に穏やかである。本質的に、子どもは遊びの活動を通して前進する。まさしくこの意味において、遊びは子どもの発達を主導する-つまり規定する-活動と呼ぶことができる』

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