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2016.03.01約束のことば

桜のつぼみがほころびはじめる頃、いつも胸中に去来する複雑な気持ち。歩くことさえままならず、泣くことでしか思いを伝えられなかった小さな命は今、たくましい成長を遂げて園庭を駆け回り、友だちとたくさんの話をしています。その軌跡を、ずっとそばで見てきたのだから、どうしても喜びと寂しさがごちゃ混ぜになってしまいます。

 

就学前の1年間は、乳幼児にとって節目にあたります。だって、そうでしょう。ご飯を食べたり、着替えをしたり、トイレに行ったり。おおよそ自分に関することが自分で、できるようになるのはもちろんだけど、苦手なことでも、挑戦したり、自身のことだけでなく困っている仲間がいたら助けてくれたりするのだから。ほんの少し前まで、いつもイヤイヤと駄々をこねていたのに、ね。

 

その発達の質的転換は、たとえば音楽会の練習風景のなかでも感じることができます。もともと合奏や合唱という表現は、子どものなかに動機がうまれ難いので、どうしても保育者が主導するという形になりやすい。つまり、教えられて習うという構造で、表現していくということになります。でも年長になると、ちょっと違う。

 

学童を担当している男性職員よりも足が長い彼女の「ああしてみよう」とか、「こうしていこう」という言葉が、響くように伝わり、それが子どもたち自身の意志へと変わっています。だから、やらされているのではなく、一緒に演目を創りあげている感じで、練習が終わっても解放的にならず、むしろその余韻に浸っているようにさえ見えるのです。

 

この時点で、今週末の舞台は大成功。たとえ、聴衆を前にして緊張が、それを邪魔したとしても仲間と一緒に表現する楽しみを、獲得できたことが最大の成果です。

 

そして、このイベントを越えると、時は就学へ向けって一気に加速していきます。それは、未来への扉を開くと同時に、入園してからずっと一緒だった日々の移ろいを意味しています。笑って。泣いて。喧嘩して。大変なこともいっぱいあったけれど、あまたの喜びをくれた21名の愛くるしい存在と出会えた奇跡は、私たちの大切な宝ものです。

 

ともに過ごした時間だけ別れの寂しさは募るけれど未来を信じて私たちは、それを受け止めていかなければなりません。さよならは、また会うためにする約束のことばだから。

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